恥ずかしいけど、こんなにも嬉しいんだね。


守られてるって感じる。


あとね、律君は雪を溶かして一緒にあの人のことも忘れさせてくれた。


いろいろあった傷は一生消えることはない。


だけど、それも含めて私は律君と前を向いて歩いていきたいと思った。


1歩ずつ離れずに、ただ未来に向かって。


『夢芽が俺を選んでくれて嬉しい。店長には申し訳ないけど素直に喜びたい。俺は夢芽を絶対に誰にも渡さないから。必ず守る、幸せにするから』


『うん、ありがとう。私もウジウジするのはやめたい。自分を成長させたいから。律君とならそれが出来ると思うんだ』


ガタッ、その音で私達は振り返った。


『速水店長!』


『どうしてここに?』


『…わ、忘れものをして戻ってみたらキッチンに明かりが…盗み聞きするつもりは無かったんだ。本当に今さっき入ってきたばかりで。でも、その雰囲気だと…2人は相思相愛っていうところかな』