ううん、きっと…


律君を好きになること、本能的にわかってたんだよね。


だから、ずっと心が揺れてたんだ。


なのにやっぱり怖くて…


自分で全部閉ざして。


このままじゃダメだってわかってたのに、それでも何かが邪魔してた。


今、その思いが、律君の何気ない言葉でようやく動いたんだ。


律君と離れたくないって本気で思えた。


私の中で重苦しく積もってた雪…


それを、律君が全部一瞬にして溶かしてくれたんだ。


『俺の居場所。夢芽の心の中にあったんだ』


抱きしめながら私を見下ろす律君。


その眼差しは優しい。


『うん、ちゃんと雪解けの地面にあった。律君のおかげで見つけられたよ』


腕の中で見つめ合ってるこの距離感…


心臓がどんどん高鳴ってくけど、律君も同じくらいのスピードで心拍数が上がってる。


それがわかる程近くにいるんだ、私達。