『いや…今の俺じゃ、本社に入った時にちゃんと戦えるか不安だな。夢芽にも嫌われてしまう』


え…


そっか…


律君だってすぐに本社に行っちゃうんだよね。


ずっと一緒にBliss BURGERで働ける訳じゃないんだ…


そう思った瞬間、急に胸が苦しくなった。


速水店長がいなくなるって聞いた時、驚いたけどこんなに心は痛まなかった。


むしろ、お仕事で栄転になることが嬉しかった。


店長の未来が明るいことに心から良かったと思った。


なのに…


私、今、すごく悲しいよ。


律君…行かないでって。


苦しいよ、呼吸が出来ないくらいに。


『夢芽?どうした?』


いやだ、また…涙が溢れる。


律君の前だよ、また心配かける気?


『夢芽、大丈夫か?』


もう心配してくれてる…私、バカだ。


『…ごめん…律君、ごめん』


律君がいなくなることが不安で、寂しくて切なくて…すごく怖い。