恐ろしく色気のある瞳…


こんなにも美麗な瞳に見つめられ、私はクモの巣に捕まったみたいに動けなくなった。


『夢芽、俺はお前が好きだ』


えっ…?


その糸に絡め取られたまま、私に甘い言葉が落ちてきた。


心臓が止まりそうになる。


嘘だよ、そんな訳ない。


何かの間違いだよ、律君が私のことを好きだなんて信じられない。


本当にみんなおかしいよ。


『す、好きだなんて…どうせ本気じゃないんでしょ?からかってるだけだよね?』


『この状況、からかってるとしたら相当悪趣味だ。俺はそんなことは絶対しない。いい加減信じろ』


誠実に必死に言ってくれてる。


そりゃ、信じたいけど、でも…


『そんなこと言われても無理だよ。律君みたいな人が私を好きになるなんて。それに、今は誰に何を言われても恋愛に対して何も考えられない。やっぱり…向き合うのが怖いよ』


それは…紛れもなく私の本音。


誰かを本気で好きになることがすごく怖い。