『明音…嬉しいよ。そんな風に思ってくれてたこと。僕なんかを好きになってくれたんだね』


僕なんかって…


幸斗は世界中で1番素敵な人やんか。


そんな人を好きになっても、どうにもなれへんってわかってた。


でも、私も幸斗と同じ。


好きな気持ち、止められへんかった。


『ごめんやで、ずっと勝手に想ってて』


『謝らないでよ。明音の気持ちはすごく嬉しいんだから』


また優しく微笑む。


『ありがとう…でも、私は幸斗の彼女にはなられへんから…』


こんなん言うて、意地悪な女やな。


自分が嫌になるわ。


『…僕は明音が好き。本当に好きなのに、それでも明音を悲しませてしまうんだね』


好き…


それは、友達として。


うん、わかってるで。


『ち、違うよ。私は悲しんでなんかないで。幸斗を好きでいられてめっちゃ嬉しいし、彼女になられへんかっても私は幸せやから』