良いお嫁さんになれるっていうのはちょっと複雑やけど、でも幸斗と料理出来るのはやっぱり素直に嬉しい。


『う、うん、まあそやな。ちょっとは勉強しとかなあかんな。頼むわな、幸斗先生。あっ、そや、今日な夢芽はカレー食べるらしいわ』


これ以上は無理やから、急いで話を切り替えた。


『みたいだね。僕にもメール来てたよ。朝倉家のカレー、本当に美味しいからね。おばさんの料理、よく食べさせてもらったよ。料理も教えてもらってたし』


懐かしそうに話す幸斗。


『そうなんや!すごいなぁ。夢芽のおばさん仕込みやから美味しいんやな、幸斗の料理』


『うん、自分のお母さんみたいに慕ってるから、おばさんが倒れたって聞いて心配したよ。でも貧血でたいしたことなくて本当に良かった』


幸斗は夢芽と幼なじみ。


昔から家族ぐるみやからな。


そういう自然な関係、ちょっとだけうらやましい。