ニコニコって、めいいっぱいの笑顔で返した。


だけど、そりゃそうでしょ。


いつもあんな風にぶりっ子喋りしてたら疲れるよ。


バカみたいに笑顔振りまいて…


『付き合ってって…彼女になるってこと？』


律君、当たり前のことわざわざ聞かないで。


『そうだよ、私、律君の彼女になりたいの』


『…沙織ちゃんには俺より似合うヤツがいるから』


『えっ、それって私とは付き合わないってこと？』


『ああ、ちゃんと言った方がいいかな。俺、好きな人がいるんだ』


え！


好きな人がいるって本当に？


それって、私以外の人なの？


律君は私に気があるって思ってたのに…


さっきだってずっと、私と腕を組んで守ってくれてたでしょ？


なのにおかしいよ。


『ごめん、俺、沙織ちゃんと付き合うことは無いから』


『そんなぁ、律君ズルくない？本当は好きな人なんていないんでしょ？冗談言ってる？』