『これでいい。傷からバイ菌が入って化膿する場合もあるんだから』


そう言って絆創膏を貼ってくれた。


『律君、絆創膏なんて持ってるんだ。偉いね』


と、幸斗が感心しながら言った。


『前に使った残りをたまたま財布に入れてただけだから』


『本当にごめん。みんな、ありがとう。気をつけるね』


改めて自分がドジなことを実感した。


『って言うかさ、そんな可愛いとこ、わざわざ直す必要ある?』


律君が、私の頭に優しく手を置いて顔を近づけながら言った。


え、えっ。


目の前に律君の顔がある。


一緒にして心臓が爆発しそうになった。


私の顔、トマトみたいになってない?


絶対なってるよね。


たぶん、完熟くらい真っ赤になってる。


『り、律君は優しいよね。夢芽、僕もそう思うよ。そういうとこ男性からしたら可愛いって思うんだよね』