明音、ちょっと照れてる?


良かったね、暗くて顔が赤いのはバレてないよ。


『明音の声で驚くよ、全く』


『何言うてるん、幸斗かってびっくりしてたやん!』


『そ、そんなに驚いてないから』


焦る幸斗。


『先、急ごう。後ろから他のグループが来る』


律君が言った。


両手を完全に私達に占拠され、ちょっと動きにくそうだ。


ううん、かなり窮屈そうだ。


でも、文句も言わずに耐えてくれてる。


しばらくは同じような調子で進んで、あと少しで出口っていう時に、


『あ!』


私は暗闇で何かにつまづいた。


律君がすぐに私の洋服をつかんでくれたけど、左手だけだったから支えきれなくて…


私はバカみたいにバタンと倒れてしまった。


『大丈夫か!』


律君の叫び声で明音と幸斗も振り返った。


『ちょっと夢芽、大丈夫?』


少し先を歩いてた幸斗が駆けつけてくれた。


明音も続いてくれて…