『どうしよう』


悩んでいると、


『俺の片方、空いてるから』


そう言って、律君は左手を差し出した。


『えっ…』


『しがみついて目を閉じてれば何が起こってるかわからないだろ』


私は、考える間もなく律君の腕に捕まってた。


ちょっとだけ遠慮がちにしてみたももの、律君の右側を自分の物みたいに占拠してた沙織ちゃんは、明らかにその行動を歓迎してなかった。


その顔から沙織ちゃんスマイルが一瞬にして消えてしまって、何だか気まずいよ…


その時、バタンとドアが開いて、斧を持った凶悪犯の風貌のゾンビが勢いよく飛び出してきた。


『きゃー!!!』


私は、とんでもなく恐ろしくて絶叫した。


数秒して…


『ちょっと!律君から離れてよ!夢芽ちゃん、それってオーバーな演技じゃない?』


かなり強い口調で沙織ちゃんが言った。