しんちゃんの口から、「ひろちゃんが妊娠しました。すみません」
と、頭を下げた。


部屋の中は一気に静まり返った。


静かな落ち着いた声でお父さんが「どうするんや?」
と、しんちゃんに尋ねた。

しんちゃんは、考えることも無く、働きます!
と答えた。

でも、中退で雇ってくれるところは汚い仕事しかないと言うお父さんに、しんちゃんは、何でもします。と答えた。


長い沈黙があった。


その後、お父さんから「これからはきついぞ。辛いぞ。大変やぞ」

と、しんちゃんに言い聞かせた。

しんちゃんは、何でもします。汚い仕事でもキツくてしんどい仕事でもしますと答えると、お父さんは、「分かった」
と、一言だけ言った。