「で、その4年4組で授業を受けているとね、いつの間にか子供の人数が1人増えているんだって。それは昔、教室が4組としてではなく、倉庫として使われていた時代に、そこで自殺した生徒がいるんだって。自殺した生徒もみんなと授業を受けたいと思って、出てきていたんだって話だよ」


話の中に出てきた『自殺』という言葉に気持ちが重たく沈んで行ってしまう。


でもこのお話は4組があった時代の話だ。


今はもう4組はなくて、また倉庫として使われ始めている。


「その幽霊は今はどうしたの?」


「それはわからないよ。だって今は生徒たちが入れない倉庫になちゃったもん」


瑞穂は肩をすくめて答えた。


もしもまだあの教室に自殺した子の霊がいるのだとしたら、倉庫になってしまった教室で1人ぼっちということだ。


なんだか寂しい気持ちになってうつむいてしまった。