直人の質問に今度は誰も答えなかった。


「なにもないなら決定だな。さっそく明日からこの8つの怖い話を始めようと思う」


「ちょっとまってよ、明日から?」


目を丸くしたのは美聡だ。


「早くしないと夏休みが始まって、みんなで集まれなくなる」


「そうかもしれないけど、怖い話を集めるのは時間がかかるんじゃ……」


美聡は他のメンバーに助けを求めるように視線を投げかける。


それを受けた和輝が「確かに、それはあるかもな」と、同意してくれた。


和輝が同意してくれたおかげで美聡はホッとしたように表情を緩める。


「じゃあこうしよう。言い出しっぺの直人が明日一番に怖い話を披露する。それがちゃんとできればオレたちも怖い話をちゃんと探してくるんだ。できなければ、そこで終わり」


和輝は直人へ視線を向けて言った。


直人は一瞬ひるんだように見えたが、大きく頷いた。


「わかった。それでいいよ」


「じゃあ、場所はここね? 時間は?」