声のトーンが代わり、低く、おどかすようなものになる。


直人の隣でアズサが両手で自分の体を抱きしめた。


『降霊術というのは、幽霊をその場に呼び寄せる魔術のこと』


リアルチューバーのその言葉を聞いた瞬間、8人の間に冷たい風が吹き抜けた。


真夏の太陽が照りつけていても、誰一人として汗をかいていない。


『8人揃って1人1つずつ怖い話を披露する。だけど一気にじゃない。1日1話。

必ず同じメンバーで同じ時間同じ場所に集まって披露するんだ。そうすると……』


リアルチューバーは一旦言葉を切り、画面にグイッと身を寄せた。


リアルチューバーのアップになった顔は加工によってグニャリと歪んで美聡は思わず小さな悲鳴を上げてしまった。


他の7人も顔を歪め、それでも画面をジッと見つめている。


『君が会いたいと思っている、死んだ相手がやってくる』


最後には声も歪み、直人は自分の体が冷たくなるのを感じた。


昨日暇つぶしの動画を見ていて、これを見つけたときも同じくらいの寒気を感じた。


「これ、本当なのか?」


実がいつのも元気さを潜めて直人へ聞く。