「これを見て」


直人が取り出したのはキッズスマホだった。


この中でキッズスマホを持っているのは直人とアズサの2人だけだった。


スマホがまだ珍しい他の6人は小さな画面を食い入るように見つめた。


「これは心霊動画を投稿しているリアルチューバーさんだよ」


直人は画面上に流れている動画の説明をしながら話を勧めた。


リアルチューバーはフローリングに置かれた白いソファに座って画面を見ている。


『今回の怖い話は、8つの怖い話という都市伝説です。タイトルからして今日ボクが8つの怖い話をするように思えるかもしれませんが、すみません、そうじゃないんです』


リアルチューバーは勿体付けるように画面へ向けて微笑んでいる。


気がつけば8人全員が話し方が面白いそのリアルチューバーの動画に見入っていた。


『じゃあ8つの怖い話とは一体どういうものなのか? それを今から説明していきます!』


リアルチューバーがパンッ! と手を叩いた次の瞬間画面は切り替わり、さっきまで普通の部屋だったのに今は和室に座り、その回りにろうそくが立てられている。


一瞬で切り替わった画面に驚きつつも、8人はかたずを飲んで動画の続きを見はじめた。


『8つの怖い話。それは8人で行う降霊術である』