みんなの視線を感じてアズサは頷いた。


顔色は悪かったけれど、そこには決心の色が現れている。


もう残されているのは自分しかいない。


自分がみんなの足をひっぱるわけにはいかないのだと、アズサは浩の番が決まったときから思っていた。


「わたしにも、見えたもん」


家に戻って机に座ったアズサはそうつぶやいた。


東屋で浩が話を終えた後、わたしたちの前に白いモヤの人が出現した。


直人がそれに向かってしおりと呼んだ時、アズサの心臓は張り裂けそうだった。


あれは本当にしおりなんだろうか?


自分の番が終わった時に、本当にしおりは現れてくれるんだろうか?


アズサは不安にかられて机の引き出しを開けた。


そこには一枚の写真が大切に収められている。


去年仲間で撮影した集合写真だ。