「そうか。それなら、よくある怖い話じゃなくて、もっと別のものがいいんだな?」


「うん。僕はそう思ってる。ありきたりな怖い話なら別に集めてくる必要なんてない。
そんなんじゃ霊は降りてこないと思う」


直人の説明に剛は頷いた。


どうにか直人の真剣さを理解してくれたようだ。


「わかった。それなら俺が知っている怖い話を1つだけ教えてやる。でもこれは本当にこの街で起こった怖い話だ。絶対に笑いながら披露したりするなよ?」


剛の言葉が脅しのように聞こえて直人はゴクリツバを飲み込んだ。


「わかった。約束する」


「俺が知っている怖い話は、この街の駅にまつわる話なんだ……」