「都市伝説?」


「うん。8つの怖い話を集めるっていうのが、今流行ってるんだ」


そう言った途端剛の目の色が変わった。


「リアルチューバーのヤツか……」


「うん。剛兄ちゃん、僕どうしてもやってみたいんだ!」


直人は剛の膝に両手を置いて見上げた。


幼い頃こうすると少しのワガママくらいなら剛は聞いてくれていた。


小学校4年生を過ぎた頃くらいからそんな子供っぽいことはやめていたけれど、今回だけは例外だった。


「本気なんだな?」


「うん」


剛の目を見つめ返して真剣に頷く。


剛はしばらく無言で直人を見つめていたが、やがて折れたようにため息を吐き出した。


「わかった。あの都市伝説ではたしか、8人がそれぞれに怖い話を1つずつ持ち寄るんだったよな? いつものメンバーでやるのか?」


直人は素直に頷く。