「ボクがやる」


公園で咄嗟に右手を上げてそう言った浩だったけれど、本当は怖い話をする自信はなかった。


ただ、一番最後になりたくなくて手をあげてしまっただけなのだ。


「あ~あ、どうしよう。怖い話は苦手なのに」


ブツブツとつぶやきながら帰路を歩く。


女の子たちが怖いのが苦手とか、話を聞いたあと震えているのを見てもかわいいなと思う。


だけど自分は男だ。


男が怖いと騒いだり、震えたりするのはダサイ。


その思い込みがある浩はなかなか友人たちに『やめたい』と言い出すことができずにいた。


そして自分の番ですでに7つの怖い話が集まってしまうことになるのだ。


リアルチューバーの動画の内容を思い出して強く身震いをする。


8つ目の怖い話が終わると死者がやってくる。