青田の心の傷は誰にも想像できないくらいに深く、暗いものだったの。


引きこもりになった青田は毎日駅を見てなにを考えていたんだと思う?


これはあたしの想像だけど、羨ましかったんじゃないかな。


本当なら自分もあの駅を使って通学や通勤をしていたはずだ。


そんな気持ちで見ていたんだと思うよ。


そしてある日、通勤ラッシュが始まる前に青田は家を飛び出したの。


それは久しぶりの外出だったらしいよ。


青田の手には包丁が握りしめられていて、駅へ一直線に向かった青田は次から次へと人を刺し始めた。


通勤ラッシュが始まっていなかったと言っても、その被害者の数は二桁に登ったの。


その間青田はずーっと笑いっぱなしだったんだって。


そして青田は自分の横を走って逃げていった男性にも目を付けた。


青田は男を追いかけて路地へと入りこみ、包丁を振りまわりながら意味不明な言葉を叫んでいた。