都市伝説の話になった途端江藤さんの目が輝いたのがわかった。


そうとう怖い話が好きみたいだ。


真紀は理由をつけてその場から離れようと思ったが、ふと思いついたことがあって座り直すだけにしておいた。


「あの、もしかしてこの街に関する都市伝説にも詳しかったりしますか?」


「この街に関すること?」


「はい。実はちょっと探していて」


「もちろん、色々と知っているわよ?」


江藤さんの目が更に輝くのがわかった。


このまま話を聞かせてもらうことができそうだ。


「なにか1つでいいので、教えてもらえませんか? できれば実際にあった怖い話系のがいいんですけど」


「もちろんよ! それならとっておきのがあるわよ」


そうして江藤さんが話し始めたものは、この街でとても有名になった殺人事件のことだった。