自分たち以外の子供は遊具のある広場で遊んでいて、丘の上からはかなり距離がある。


誰かがイタズラをしているのではないかと東屋の外へ出て確認してみたけれど、誰の姿もなかった。


「今のが幽霊なんだと思う」


そう言ったのは直人だった。


話を終えている他の3人も同時に頷く。


自分だけではなく、やはり話終えた全員に今のような現象がおこっていたようだ。


和輝はゴクリとツバを飲み込み、そろりと元の場所に座った。


もう冷気は消えているのに居心地が悪くて落ち着かない。


自分の背中を叩いた人間がまだそこにいるような気がして何度も周囲を確認する。


そんな和輝を見てまだ話をしていない真紀たちが不安そうな表情を浮かべている。


「そろそろ姿を見せてくれないか?」


直人が誰もいない空間、頭の上らへんへ視線を向けて声をかける。


全員の視線が自然とそちらへ向いた。