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ゲーセンの隣にある公園はとても静かだった。


公園の真ん中は遊歩道が突っ切っているけれど、散歩している人の姿もない。


「この公園がここまで静かなのは珍しいなぁ」


恭平が木製のベンチに座りながらつぶやく。


実も隣に座った。


ベンチは熱を持っていてお尻が熱い。


「恭平は毎日ゲーセンに来てるのか?」


「あぁ。さっきも言った通り、他の受験生みたいにヒーヒー言わなくても平気だしな」


「ふぅん?」


高校生のことはよくわからないから、そういうものなのかと納得するしかない。


恭平はゲーセンで遊んでいるだけで、別に悪いことしているわけでもないし、派手な見た目をしているわけでもない。


ただ、制服姿でいるところを見たこともなかった。


本当に高校生なのかどうかも怪しい。


それでも実にとって、恭平は恭平。


大切な友人の1人だった。