「さっき飯田に会ったんだ。すごく慌ててる様子だったから、声をかけた」


「飯田に?」


実の眉間にシワが寄る。


このタイミングで飯田に会ったということは、ゲーセンから出て行った後のことだろう。


「あぁ。あいつ青い顔しててさ、どうしたんだって聞いたんだ。そしたら……」


一旦言葉を切って実を睨みつける。


身長差があろうが、体力差があろうが直人には関係なかった。


8人はみんなともだちだ。


怖いことなんて無い。


「ゲーセンで実に突然話かけられたって。最初、カツアゲされると思って怖かったんだって」


「なんだよそれ、俺がカツアゲすると思うのかよ?」


実の声色も険しくなる。


「そうじゃない。実はそんなことしない」


「じゃあどうして俺を攻めてるんだよ」


その質問に直人は大きく深呼吸をした。