「は、なし……?」

包丁を虹恋の手から離して、向き合わせた。

半ば強引だけど……。

「隠してたの、本当にごめん……」

虹恋は察したのかすぐ目を逸らした。

「遊んでたって聞いて俺のこと嫌いになったから避けてるの……?」

それはありえるよな。

軽蔑してるのかも。

「っ、違うよ……!」

「じゃあどうして?」

もう……手放したくないのに。

俺のそばから離れないでほしい。

「それ、は……」

ーーガチャッ。