それは全て、柊のスペックが高いおかげだろう。


 なんだかんだ言いながらも、必要な仕事は全て時間内に終わらせる。

 それに社内のフォローもしっかりしているからこそ、周りにも受け入れられていて何も言われないのだ。


 私もそんな柊の努力を無駄にしないためにも必死に食らいついて仕事をしている。


 先輩が認めてくれているのは、そのおかげだと思いたい。



「それより美桜ちゃん、社長の仕事もうすぐ終わりそうよ」


「はっ? もう!?」



 初めに見た量だと2時間くらいはかかりそうだったのに。



「ご褒美の覚悟決めておかないとね」


「……っ! 先輩助けてくださいよ」


「ふふっ。嫌よ……頑張ってね」



 反対をするとか文句を言う前に、みんな私たちのこの関係を楽しんでいる気がする。たぶん、私の思い違いではないだろう。


 そして当事者である柊もまた、この関係を存分に楽しんでいた。



「さぁ、終わったよ! 美桜ちゃんおいで?」



 本当に終わらせたんだ。