「その内容だと……気にする必要はないよ。というより、無視して大丈夫！　ゴミ箱にポイしちゃえばいいさ」
「そっか、そう……だよね。えーくんの言うとおりよね。ありがとう、えーくん」


　こうして僕たちは三度目の付き合いを始めた。以前のように頻繁に連絡を取り合うことはない。通話アプリで話すこともほとんどなかった。それでも僕は……彼女と繋がっていることが嬉しかったのだ。


　そんなある日、彼女からゲームを薦められる。いわゆるオンラインゲームというやつだ。初めてプレイするそのゲームに、彼女は優しく教えてくれた。ただのゲームの話……それでも、彼女と通話アプリで話せるのが嬉しかった。


「そっか、こうやってゲームを進めていくんだね。まーちゃん、ありがとう！」
「ふふふ、一緒に遊べて私は嬉しいよ？　だから、早く追いついてねっ」


　幸せな時間の再来であった。時間が合うときは二人でゲームを楽しむ。もちろん、通話アプリで会話しなから……。僕は彼女への気持ちを表に出さないと決めていた。この時間を二度と失いたくないからだ。


　それからは、ゲームの話や、たまに日常のこともメッセージでやり取りするようになる。それでも、彼女への気持ちは心の奥底からださなかった。


　三度目の失恋……いや、今回は少し違っていた。彼女への想いは変わっていない。彼女が望むなら一緒になりたいという気持ちも同じ。それなのに……僕は自分から連絡するのを辞めてしまった。


　結局、それがきっかけとなり、僕と彼女の関係は終焉を迎えたのだ。でも、あのときと違うのは……彼女が幸せであることを願い続けている。たとえ……連絡しなくなった今でも……。



「まーちゃん、お誕生日おめでとう！」
「覚えて……くれてたんだ。ありがと」


　確かに僕は、彼女と普段の連絡はしなくなった。それでも、彼女の誕生日には毎年お祝いメッセージを送ったのだ。無事に一年すごせたという想いと、彼女が今幸せであることを願って……。