イヅナは球を投げて拘束し、ツヤは容赦なく蹴り上げたり殴り付けたりする。そして、廊下を走っていくと悲鳴や「何でこいつら死なないんだ！」という声が聞こえてくる。

イヅナとツヤは顔を見合わせ、走る速度を上げる。少し走ると、ゴブリンたちにカレンたちが取り囲まれていた。マチルダとケフェウス、そして数人の子どもが武器で攻撃するものの、すぐに回復していく。

「そんな攻撃で倒せるか」

ツヤが呆れたようにため息をつき、カレンたちが「農園の職員！」と怯えた目を向ける。だがそんなことは気にせず、ツヤは長い爪と鬼のツノを出して不敵に笑う。

「妖はこうやって殺すんだよ！！」

子どもたちとゴブリンたちの戦う様子を見て、ツヤはゴブリンたちの核の位置を把握していた。長い爪で目を傷付け、腹に毒針を思い切り刺し、頭を掴んで地面に何度も強く叩き付ける。

死ななかったゴブリンたちが地面に倒れ、動かなくなっていることにカレンたちは顔を真っ青にし、体を震わせる。それを睨むように見ていたツヤだったが、「ツヤさん！」とレオナードとヴィンセントが走ってきたことで、視線をそちらに向ける。