ケフェウスとマチルダが言い、耐え切れなくなったミモザが「フレッド！」と言いながら涙をこぼす。そんな三人を見ていると、イヅナの心も揺らいでしまう。だが、イヅナはここに潜入している「うん」と勝手に頷くことはできない。

「少し考えてもいい？」

イヅナはそう言い、ツヤに話してみることにした。



同じ頃、ツヤは雇い主である悪魔たちの夕食会に招かれていた。豪華なシャンデリアが吊るされた広い部屋で、悪魔たちがテーブルに並んだ豪華な食事を楽しんでいる。並んでいる食事はどれも、人間の肉が使われたものだ。

「この子どもの肉を使ったサラダは最高ね！」

巨大な水槽に入った蛇のような見た目をし、人間の女の顔がついた悪魔、レヴィアタンがとろけるような目をする。彼女は水の中に住み、嵐を引き起こせるのだ。

「こっちのスープもうまい！噛みごたえのある目玉だぞ」

美しい美青年の姿をした悪魔、アスモデウスが言う。理想の異性の姿で近付き、人を殺す彼の本来の姿は恐ろしいものだ。