イヅナは諦めて寝ようと再び横になる。プツリと興奮や緊張の糸が切れたせいか、横になるとすぐに睡魔がやってきた。

眠りの世界に入る一歩手前だっただろう。意識が完全に落ちかけていたイヅナだったが、「笛を吹いたのはお前だろ！」と大声が響いた刹那、グラグラと激しく体を揺さぶられる。

「……えっ、何？」

重い目を無理やりこじ開けると、鍵がかかっているはずの檻の中になんと三人の人間がいた。歳はイヅナより少し上に見える。

「あなたが笛を見つけてくれたのね、嬉しい！私はミモザ・レッドハートよ。よろしくね」

赤みがかった髪を揺らし、アンバーの瞳を輝かせながらミモザが自己紹介をする。そして、その隣にいた青みがかったウルフカットの女の子も口を開いた。

「名前はマチルダと言う。……よろしく」

そして、イヅナの一番近くにいる短い銀髪の男の子もニコリと笑って自己紹介をしてくれた。

「俺、ケフェウス！会えて嬉しいぜ〜」

イヅナはケフェウスに抱き付かれ、頭を少し乱暴に撫でられる。まるで犬になった気分だ。イヅナは混乱しながら口を開く。