中にいたのは、黒い髪に水色の瞳を持った少女だ。普段、三つ編みにしている髪は解かれ、可愛らしいチェック柄のリボンシャツにブラウンのAラインスカートを履いている。いいブランドのワンピースだ。

少女の口には布が噛まされ、体は縄で縛られている。そして、恐ろしい怪物たちに品定めをするかのように見られているためか、体を小刻みに震わせて泣きそうになっていた。

「へえ〜、結構可愛い顔をしてるね。僕の好みだよ」

「こら、ルシファー。まだ喰うんじゃないぞ。メスには子どもを産んでもらわないといけないんでね」

「じゃあ、このメスの産んだ子どもは私にちょうだい。最近、オスばかり食べていたからか肌荒れがひどくて……。柔らかい赤ん坊の肉がほしいわ」

「レヴィアタン、赤ん坊だと腹は満たされんだろう。このメスが双子を産めば、話は変わるがな」

「ほんと、人間って動物と違って一気にポンポン子どもができないからね〜。おいしいんだけど、そこだけは面倒だな」