「…私ね、ちっちゃい頃…大志と奏志が双子なことがすごい羨ましかった」
「うん」
「私だけ違うんだって知った時、悲しくて寂しくて…なんで私は血の繋がったキョーダイじゃないんだろうって」
「あー、あったわねそんなこと。あの時あんた泣いてたもんね」
そう思ってた…ずっと、ずっと。
何も変わることないよってお姉ちゃんたちもお兄ちゃんも大志も奏志も言ってくれて嬉しかった。
「はい、今度左手。右はまだ乾かしてるとこだからそのままね!」
触らないように、今度は左手を差し出した。
「だけど…、いつからかやっぱりキョーダイじゃなくてよかったなって思ったんだ」
「うん…、なんで?」
いつからそう思ったんだろう、もういつ思ったのかも記憶にないくらい。
“お前、好きなやついんの?”
「大志のこと好きになったから」
ずっと隠しておきたかった私の秘密。
言えなかった。
言いたくなかった。
初めて言葉にした。
それだけで泣きそうになった。
立てた膝の上に顔を埋めた。
「…じゃあそうやって言えばいいんじゃない?」
「言えないよ!!そんなことっ」
今度は別のマニキュアを取り出した結華お姉ちゃんの方を力強く見てしまった。
「…奏志にそんなこと…っ」
お父さんもお母さんが仕事が忙しくてどんなに帰って来なくても、怜お兄ちゃんがいっつもバイトで家にいなくても、私にはいつでも2人がいたから寂しくなかったしいつだって笑っていられた。
だから自分の気持ちは言わないようにしようって思ったんだ。
いつもそばで私に元気づけてくれた2人を傷付けるようなことはしたくないから。
2人といるのが一番楽しくて何より大好きだったから。
だから奏志になんて答えたらいいかわからないの。
こんな私なのに、どんな顔して大志の隣にいればいいかもわからない。
「…こんな苦しいなら、本当にキョーダイだったらよかった」
そしたらこれからもずっとみんなで笑ってられたよね。
こんな思いせずに済んだよね。
2人がケンカすることだってなかったのに。
私はずっと大志と奏志と一緒にいたかったの。
この先も、ずっと一緒にいたいの。
この気持ちは邪魔なんだって…
消したかった。
ぽろぽろと涙が流れた。
それを結華お姉ちゃんが拭いてくれた。
「うん」
「私だけ違うんだって知った時、悲しくて寂しくて…なんで私は血の繋がったキョーダイじゃないんだろうって」
「あー、あったわねそんなこと。あの時あんた泣いてたもんね」
そう思ってた…ずっと、ずっと。
何も変わることないよってお姉ちゃんたちもお兄ちゃんも大志も奏志も言ってくれて嬉しかった。
「はい、今度左手。右はまだ乾かしてるとこだからそのままね!」
触らないように、今度は左手を差し出した。
「だけど…、いつからかやっぱりキョーダイじゃなくてよかったなって思ったんだ」
「うん…、なんで?」
いつからそう思ったんだろう、もういつ思ったのかも記憶にないくらい。
“お前、好きなやついんの?”
「大志のこと好きになったから」
ずっと隠しておきたかった私の秘密。
言えなかった。
言いたくなかった。
初めて言葉にした。
それだけで泣きそうになった。
立てた膝の上に顔を埋めた。
「…じゃあそうやって言えばいいんじゃない?」
「言えないよ!!そんなことっ」
今度は別のマニキュアを取り出した結華お姉ちゃんの方を力強く見てしまった。
「…奏志にそんなこと…っ」
お父さんもお母さんが仕事が忙しくてどんなに帰って来なくても、怜お兄ちゃんがいっつもバイトで家にいなくても、私にはいつでも2人がいたから寂しくなかったしいつだって笑っていられた。
だから自分の気持ちは言わないようにしようって思ったんだ。
いつもそばで私に元気づけてくれた2人を傷付けるようなことはしたくないから。
2人といるのが一番楽しくて何より大好きだったから。
だから奏志になんて答えたらいいかわからないの。
こんな私なのに、どんな顔して大志の隣にいればいいかもわからない。
「…こんな苦しいなら、本当にキョーダイだったらよかった」
そしたらこれからもずっとみんなで笑ってられたよね。
こんな思いせずに済んだよね。
2人がケンカすることだってなかったのに。
私はずっと大志と奏志と一緒にいたかったの。
この先も、ずっと一緒にいたいの。
この気持ちは邪魔なんだって…
消したかった。
ぽろぽろと涙が流れた。
それを結華お姉ちゃんが拭いてくれた。