「腹減ったし、なんか食って帰ろうぜ」

「うん、いいよ!どこ行こっか?」

スノードーム美術館からの帰り道、地元の駅で近くのファミレスに寄った。

少しだけ並んで店に入った。

スノードーム美術館が相当楽しかったのか芽衣はずっとその話をしていた。何度も俺の作ったスノードームを逆さにして、キレイだねって言いながら。

「「ごちそうさまでした!」」

って言ったにも拘わらず、芽衣がもう1度メニューを開いた。注文したオムライスはちゃんと完食されていたけど。

「まだ食うの?」

「んー、やっぱデザート欲しいなぁ…」

じーっと何をそんな悩んでるのかってぐらい見つめている。そんな悩ましい顔しなくてもってぐらい真剣にメニューと向き合っている。

「食いたきゃ食えばいいじゃん」

「うーん、でも1人じゃ食べきれないかもしれないから…やめとこうかな」

そう言ってメニューを閉じた。
はぁっと小さく息を吐いて眉をハの字にして。

いや、そこまでがっかりすることでもないだろ。

そんな姿を見て提案してみた。

「じゃあ半分こしたらよくね?」

「いいの!?する!」

一瞬で笑顔に変わった。現金なヤツだな。

わかりやすくて、素直なんだ。

「奏志何がいい?私これ!」

「お前俺に聞く気ないだろ!いいけど!」

2人でパフェを半分こした。
芽衣の好きなチョコレートいっぱいのパフェ。

残すことなく綺麗に食べた。