背後から父親が持っていたカバンの角を、

わたしの頭めがけて振り落としてきた。

わたしはそのとき、感じ取ってしまった。

お父さん、今のって殺意でいっぱいだったね。

わたしは傍にあった点滴をつるしていた器具を手に取った。

槍のように両手で持ち、父親の腹部めがけて、それを突く。

一瞬で背中まで貫通し、シャワーのように血しぶきが上がる。

その光景を見て思わず、ふふふ、と声が漏れる。

自分のテンションが上がっているのがわかった。

火に包まれたあのときと同じ感覚。


わたしは改めて思った。

やっぱり、これは、わたしの意志だ。

今まで溜め込んできた気持ちを吐き出してるだけ。

病室を出られず、隅の方で震えながらしゃがみこんでいるあいつが見える。

デザートは、もちろん最後に取っておく。