「政田とは何もない。だから……もう避けないで」
すっかり空は薄暗くなって、パッと街灯が点いた。
光に照らされる三咲の髪は、いつも以上に透き通っている気がする。
「……わかった」
2人が付き合っていないことを知って、すごく、すごく安心した。
だけどそんなことよりも。
『アイツ、俺の体質のこと知ってるから。軽い脅し、的な』
その言葉が、頭の中でずっと響いている。
脅しって……。
萌絵ちゃん、一体何を考えてるの?
前に2人で話した時、萌絵ちゃんは三咲のことが好きなんだろうなって、伝わってきた。
好きな人にそんなこと……する?