すぐにスマホで寧々に掛けてみるが──

【おかけになった番号は……】

圏外を知らせる音声が流れるだけ。


「圏外って……」


この辺で電波がないところと言えば、さっきの肝試しコースになっていた林道。

一部で圏外の場所があった……まさかっ……。


俺は急いで外に飛び出した。


「寧々ーーーーーっ!!!」


大声で名前を呼びながら、施設の周辺を駆け回った。

小雨がぱらついて視界も悪くなっている。

どういうことなんだ……? てっきり、班のメンバーと楽しく過ごしていると思ったのに。

もう一度宿舎に戻ると、ちょうど白樺がロビーの自販機の前に居たのが見えた。

思わず走り寄る。