体に強い痛みを感じて、視界がグルグル回る。

やだ! どうしよう!

なにが起きたのかわけがわからないまま、ドサッ!

私はどこかに着地した。


「……ったあ……」


もしかして私。

林道からがけ下に落っこちたの!?


「池内さぁ~ん!!!」


パニックになって、上に向かって叫んだ。

なのに、聞こえるのはさわさわ揺れる木の音だけ。

あれ? 私が落ちたの見てたはずなのに。

近くにいるんだよね?


「小林さん!?」


もう一度。

でも同じ。なにも反応がない。

え、なんで反応してくれないの?

ドクンドクン……違う意味で、鼓動が早くなってくる。

──と、信じられない声が耳に届いた。


「……ちょっとはそこで頭冷やしたら?」