しばらく歩くと、二手に分かれた道に出てきた。立て看板に書かれた”→”の方向はどっちを指してるのかイマイチわかりにくい。

右のほうが道が広いからこっちだと思って進むと、「待って!」池内さんが声を上げた。


「アレ、お札じゃない?」

「どこ?」


池内さんがさす左側の方向に、確かにひらひらした白いものが見える。

ほんとだ。

てことは、やっぱり左だ!


「今度は私が取りますね!」


さっきは池内さんが取ってくれたから。

怖いけど、頑張る!

池内さんが照らしてくれる足元の明りを頼りに、一歩一歩慎重に進んでいく。

──と。

いきなりあたりが真っ暗になって。

ズルッ───

その瞬間足元を取られて、私の視界はひっくり返った。


「ひゃあっ!!」