真っ暗な中での頼りは、池内さんが持っている懐中電灯ひとつ。

先を照らしながら、慎重に歩く。

小林さんは、私と池内さんの腕に自分の腕を絡ませて目を瞑りながら歩いている。


「まじこわっ! 来栖さん、先行ってよ」


余裕そうだった池内さんも、へっぴり腰で私の背中を押した。


「ええっ……!」


私を盾にするなんて~。

でも、エクセレントとしてみんなのために頑張ろうと気合を入れる。

肝試しのルールは、順路に沿って進んでいくと、いくつかポイントがあり、そこでお札を取ってくるというもの。

おどろおどろしい音楽が流れたり、ちゃんと演出があって、作り物とわかっていても、叫んでしまうのはさすが肝試し。