勘違いじゃなかった。ちゃんと名前を呼んでくれた!

昨日に引き続きうれしくて、胸が踊る。


「わ、私も苦手なのっ」


声が上ずっちゃったけど、そう言えば仲間と言わんばかりに手を取られた。


「一緒に頑張ろう!」

「う、うん!」


怖かったはずの肝試しも、楽しみになって来た。




「では、次のグループ出発してくださーい」


実行委員の人の合図で、私たちは真っ暗な林道へと進んだ。

昼間は心地いい高原も、夜はやっぱり不気味。

生ぬるい風が、また不気味さを演出している。


「きゃあ~っ!」


頭上から枝垂れた木々がわさわさとおりてきて、私たちは悲鳴を上げながら逃げる。