夕飯後、学校指定のジャージに着替えて集まったのは、林道への入り口。
今から肝試し大会があるのだ。
肝試しのグループは事前にくじで決まっていて、私は池内さんと小林さんの3人グループ。
ふたりとも琴宮さんの仲間だから、少し気が重い。今までさんざん嫌みも言われちゃってるしね。
何とか乗り切ろうと思ってふたりの元に近づくと、小林さんはすでに泣きそうになっていた。
「ほんとやだ。怖いよ~」
「大丈夫だって」
池内さんになだめられている彼女を見て、心の中で私もすごく気持ちがわかるなあと思っていると、
「怖いよ~、ねえ~?」
ん?
今、私に向かって言われた気がしたけど、気のせいかな……?
「来栖さん怖いの大丈夫? あたしめっちゃ苦手なんだよね」
もう一度。今度は私の名前を呼びながら問いかけてきたのだ。