ーその日の夜中、2時頃
携帯の通知で目を覚ました。
Twitterに友達申請が届いたらしい。

「うぅん……だれ。」
どうやら、"さくぽんず"から申請が来たらしい。
ぽんず…クセのあるの人が申請しにきたと思った。
まぁ関われば面白いかなと思い、申請を承諾、そのままフォローバックをしておいた。
(また明日、この人のアカウントをちゃんと見てみよう。)
そう思いまた眠ることにした。

翌日、昨日申請された人を改めて確認してみることに。
写真を見てみて、違和感を感じた。


まさかかと思った。
まだ夢から覚めていないんじゃないかと思った。
それか、何かの間違いかと…とにかく現実かどうか疑った。
顔写真を見てすぐわかった。
それはずっと心の中で思い描いてた姿。

新庄叉黒斗(シンジョウ サクト)
間違いなく、5年前に別れたきりになっていた彼だった。
まさか、彼から私にコンタクトを取りに来るとは思わなかった。
なぜ、なぜ私のアカウントがわかったのだろうか。
彼だとはっきりわかった瞬間、聞きたいこと、話したいことが溢れてきた。。。

ゆっくり彼の投稿を見ていく。
彼は基本的に夜活動しているようだった。
高校の時は軽音部に所属し、今は居酒屋でバイトしているそうだ。
友達と映っている写真もある…久々に顔を見たなぁ。。。
今は朝10時。きっとまだ寝ているだろうと思いながら、思い切ってDMを送ることにした。

「久しぶり、さくとくん。」
…なんて打てばいいか分からず、少し怪しい感じに送ってしまった。
返事は来ないかもしれない…だって怪しすぎる…。

バイトへ向かい、ちょうど例の先輩が出勤していた。
涼子に積極的にアプローチし、仕事の帰り道に家まで送った後、そのまま告白をしたらしい。
昨日、涼子が恥ずかしそうに細かく話してくれたことを思い出し、挨拶だけして通り過ぎようとすると、呼び止められた。
「おはよう鈴木さん!」
「おはようございます、貝塚先輩。」
「鈴木さん、ちょっと確認したいことがあるんだけどいい?」
「涼子の話でしょうか?」
「あ、聞いてるんだね、やっぱり(笑)その、できればあまり言いふらさないでほしいんだ」
「え?それはどういう…」
「あまり公にしたくなくて、仕事にも支障が出るのも嫌だから。」
「はぁ…。」
そういうものなのだろうか、当時の私にはよくわからなかった。
が、わざわざ言いふらす理由もないので、とりあえず肯定しておいた。