穂香ちゃんの背中に隠れる。穂香ちゃんは律くんの側に歩いていく。ひっつきむしのごとく、彼女の後ろをついて歩いた。



「千原君、今日は愛乃ちゃんと二人で帰りますね。松吉君にもよろしく、言っておいてください」



穂香ちゃんが声をかけたのが律くんでよかったと胸をなでおろす。



「わかった。じゃあね」



律くんは私を一瞥して言った。



「はい、また明日」



「律くん、バイバイ」



穂香ちゃんを追いかけるように素早くその場を離れて、帰路についた。