「千原律樹、いる? 」
聞きなれた声が聞こえた。教室後方の扉付近で、理央が近くの生徒に声をかけていた。廊下には私たちのほかに生徒が立っているから陰で律くんの姿が見えなかったのだろう。
律くんも理央の存在に気づいたようで。
「教科書返しに来たのかな」と言った。
「理央ー」
律くんが理央の名前を呼んで、片手をあげようとしたとき律くんの腕を掴んだ。
理央と顔合わせづらいのに。
「ん、愛乃」
不思議そうに律くんが私を見る。
理央は律くんの存在に気づいたようで、こちらに向かってくる。
「次の授業の準備しなくちゃだった。じゃあね、律くん」
理央に気づかれないように、律くんの側から離れて教室に戻った。
聞きなれた声が聞こえた。教室後方の扉付近で、理央が近くの生徒に声をかけていた。廊下には私たちのほかに生徒が立っているから陰で律くんの姿が見えなかったのだろう。
律くんも理央の存在に気づいたようで。
「教科書返しに来たのかな」と言った。
「理央ー」
律くんが理央の名前を呼んで、片手をあげようとしたとき律くんの腕を掴んだ。
理央と顔合わせづらいのに。
「ん、愛乃」
不思議そうに律くんが私を見る。
理央は律くんの存在に気づいたようで、こちらに向かってくる。
「次の授業の準備しなくちゃだった。じゃあね、律くん」
理央に気づかれないように、律くんの側から離れて教室に戻った。