「クラスは違うけど、部活は三人とも一緒だね」

「男女別だからあんま関係なくないか」

「もー、余計なこと言わないでよ」



 理央の言葉にテンションが下がる私の頭にぽん、と手が乗せられる。



「帰りは一緒に帰れるね」



 大きな手は律くんのものだった。



「うん」



 律くんの優しい言葉に笑みがこぼれた。

 すると、理央が不機嫌な声で言った。



「愛乃、あんま人にその顔見せるなよ」



 その顔ってなに。私はただ、三人で帰れることがうれしかっただけなのに。うれしすぎて変な顔してたのかな。



「そうだね、理央の言う通り。愛乃の可愛さは俺たちだけ知っていればいいから」



 珍しく律くんも理央の意見に賛同した。

 二人の言っていることがわからなくて、首をひねっていると腕を引っ張られた。



「休み時間終わる」



 ただそう言った理央に私は教室の方に連れていかれる。