「そういえば、律と付き合ってるって本当? 」



ノートを片付けようとしていると、理央が思い出したかのように言った。



「ほんと、だよ」

「律のこと好きなんだ」

「好き、だよ」



彼女のフリがバレないように、と祈る。



「ふーん」



依然、疑いの目が向けられる。



「理央も好きだよ」

「俺のこと好きなんだ」



あれ、焦って変なこと言ってるかも。

意地悪な笑みを浮かべる理央がいた。



「なしなし。今のなし」

「律と付き合ってるのに、俺のことも好きなんだね」

「違うちがう。律くんとはフリだもん」

「フリって? 」



ごめん、律くん。口が滑ってしまいました。



「なにも言ってない」

「付き合ってるの嘘なんだ」



誤魔化せませんでした。