「理央がいるんだし」と、付け加える。

「うーん」



歯切れの悪い返事をする私に理央が言った。



「俺と一緒じゃ不満? 一人の方がよかったんだ」

「そんなことない。理央と一緒でよかったよ」



 慌てて否定した。

 人見知りで人に話かけることが苦手だから、もし、理央がいなかったならと想像して恐ろしくなった。一年間友だちもできずに一人で過ごすのは無理だ。

 理央が同じクラスで本当によかった。改めて思うとうれしくて顔が緩んだ。

 すると、視界が遮られた。理央の手によって顔を覆われた。



「こっち、見るな」



 なんで。

 訳が分からず、律くんのほうを向いた。

「理央は不器用だね」と、律くんが呟いていた。

「でも、律くんもいて三人同じクラスだったら、もっと良かったのになぁ」と、本音をこぼした。