「ちょ、いきなり抱き着かない」



勢いよく律くんに飛びついたせいで、私が押し倒したみたいになった。

ち、近い。律くんとの距離ゼロセンチメートル。



「ご、ごめん」



慌てて律くんの上から起き上がった。



「積極的だね」

「そんなんじゃないよぉ」

「わかってる」



「おいで」と言う律くんの足の間に座った。

背中から律くんの温もりが伝わってくる。律くんの心音まで聞こえてきそうだった。



「本当にいいの」



律くんが念押しするように聞いてくる。



「いいよ」



なぜこんなにも同じことを聞いてくるのかわからない。私がお願いしてるんだから何も気にすることはないと思うんだけど。