高校でも律くんと一緒に通えることがうれしかったからそれ以上は何も聞けなかった。

呼び鈴を鳴らすと、律くんが階段を駆け下りて迎え入れてくれた。

一時集合って言ってたけど、来る途中に理央とは会わなかった。いつもなら、途中で理央と合流して行くんだけど。

律くんの部屋に通されて、荷物を下ろす。

勉強机にはさっきまでしていたのか、教科書とノートが広がっていた。



「理央はまだ来てないんだね」



真ん中に置かれたローテーブルの横に座る。

律くんも隣に腰を下ろした。



「理央に早く来てほしい? 」

「外で会わなかったから、もう来てるのかと思って」

「理央には二時にくるように言ったから」



確か、集合は一時だよね。

「なんで? 」

「今は俺といるんだよ。理央のことなんて考えないで」



髪の毛に触れられたかと思ったら、耳の横でささやかれる。

そのまま髪の毛に口づけを落とされる。