「斎さんたちが声かけてくれて本当によかった」

「愛乃でいいよ」


 穂香ちゃんともっと近づきたい私はそう言った。



「知り合い一人もいなくてどうしようかと思ってたから」



「私も私も」



 穂香ちゃんと話すことができて、テンションが上がった。



「愛乃ちゃんはこんなかっこいい幼なじみが二人もいるから」



「でも、高校で初めての友だちは穂香ちゃんだよ」と言うと、穂香ちゃんの顔がぱあっと明るくなった。きれいな花を思わせるような笑顔がとても素敵だった。



 穂香ちゃんと友だちになれたことがうれしくて上機嫌で帰り道を歩いていた。



「愛乃、うれしそうだね」

「だって」



 初めての友達があんな可愛い美少女なんて。私の目指す美少女像ぴったりの人がいるなんて。あんなに可愛いんだから、きっとモテるんだろうなぁ。